2016年12月17日 TBSラジオ「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送 常連さんにきいてみよう 横浜/新潟避難いじめ手記・【ロシア・オスプレイ・カジノ三題噺】」ゲスト田中康夫
[土屋伸之]「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送」、この一週間を物知りな常連さんと雑談で振り返る「常連さんにきいてみよう」のコーナーです。今日の常連さんは田中康夫さんです。よろしくお願いします。
[田中康夫]はい。よろしくお願いいたします。
[出水麻衣]おはようございます。
[土屋]今日もおみやげありがとうございます。
[田中]こないだほら、 (三軒茶屋から程近い三宿の) ブーランジュリー ボネダンヌのね、パンを。
[出水]サンドイッチをね。
[土屋]いえいえあの・・・(笑)。僕、行ってないんですよ(笑)。
[田中]そう。こないだ行ったら「ナイツさんが買いに来て下さったんです!」って奥さんが言うから「どちらの方ですか?」ったら「背の高い方の方です」「土屋さんですね」って(やりとりを先程、控え室で)スタッフに言ったら、土屋さんに背丈の似たハンサムなスタッフがいて、そのスタッフが買いに行って・・・「一応番組(でスタッフを)やってるんで「こないだ紹介させて頂いて」って言ったら(ブーランジュリー ボネダンヌの奥さんに)「ナイツさんですね?」って言われて「はい」って言った」って(笑)。まあ、すごい奴だなって(笑)。
[塙]スタッフがわざと言ったんじゃないですか。
[土屋]土屋を名乗って行ったんじゃないですか(笑)。
[出水]お代払ってきた?大丈夫?(笑)。
[田中]今日はですね、師走の、先ほど買いに行った、築地の。大混雑ですけど。築地の松露さんという、「松」という字に「露」って書く。玉子屋さんね、築地に沢山あるけど、ここは元々はお寿司屋さんから玉子焼きが有名になって、サンドイッチを作ってんです。
2種類ありましてね、玉子が入った玉子焼きのサンドイッチ。それから築地の (午前4時からやっている) お店(本店)だけ限定で、青海苔が入ったのと一味唐辛子で。
[土屋]全部食べちゃいましたこれ。
[田中]え、もう食べちゃった?
[塙]玉子焼きを挟んでるね。
[土屋]三種類全部食べちゃいました(笑)。
[出水]かなり分厚い。2、3センチありますかね、玉子焼きを挟んであって。
[田中]これやっぱり、楽屋とかにお届けするのに良いんで。
[出水]んー。
[田中]今日は横浜の独演会(ナイツ独演会 この山吹色の下着@横浜にぎわい座)ですよね。それは別のお届けものを。
[土屋]気使わないでください、気使わないでください、ホントに(笑)。
[田中]妻と一緒に伺いますので。
[土屋]田中さんは(11月5日の)国立(演芸場)のねホールにいらして頂いている。
[田中]その話を家に帰って(トイプードルの)ロッタと妻の惠にしたら「これは聞きたい!」て。
[土屋]奥さんも見たいと。
[田中]無理言ってチケットを取らせていただいてありがとうございます。
[土屋]康夫さんは2回目ですよ、独演会。
[塙]はじめてのリピーターです。
[出水]ははは(笑)。美味しいものを今週もありがとうございます。では田中さんをお迎えして今週一週間を見出しで振り返って参ります。
[土屋]さあ、康夫さんが気になったニュースは。
[田中]これほら、新潟でもね、いわゆる被災地、特に福島の原発被災地からの。で、千代田区、あと横浜でも。
[出水]ありましたね。
[田中]横浜もこないだ少年がね、「亡くなったら、津波で亡くなった人に申し訳ないから僕は生きる」って仰ってた (少年が・・・) 。
[出水]そうですね、手記を発表して。
[田中]教育委員会とか市に「謝って頂けるんですか」?って手紙を出したけど返事が無いっていうんで 。 で、新潟は、もちろん新潟も「菌」って言ってたのはとんでもない話なんだけれども、でもちゃんとそれは教育委員会も学校も(謝罪を)言ったけど。「僕の件はどうなったのかな」って言ってるけど、やっぱりこれはもうちょっとちゃんと人間の体温のある扱いを行政もして欲しいなっていう気はしますね。
[土屋]本当に暖かく対応してあげないと、心の傷はね。
[田中]今日は、年末になってどんどん(ニュースが)盛りだくさんだね。
[出水]そうなんです。
[田中]今回は「ロシア・オスプレイ・カジノ三題噺」かなと思って(笑)。
[出水](笑)。
[塙]そうですね。
[土屋]ひとつひとつ大事ですから。
[田中]自民党の二階(俊博)幹事長が「国民の皆さんの大半は今回のロシアとの(交渉結果は)がっかりしてしてるんじゃないか」と。
[塙]仰ってますね。
[田中]「われわれは心に刻む必要がある」って。これがまさに「そうだな」っていうか。だからやっぱり「4島を戻して欲しい、でも無理だから2島」って言ってたけど結果的に今回、 (0島となった) 返還の話や「 (北方領土は) どっち (の国) に帰属するのか」って話も明確にならなかったんでね。
[出水]これから、という感じですね。
【主張】日露首脳会談 「法と正義」の原則崩せぬ 四島での共同活動は危うい
[田中]「 『 特別な制度 』 を作って (共同) 経済活動をする」って( ウラジミール・プーチン大統領と安倍晋三首相は会見で )言ってるけど、稚内から (樺太島の) サハリン、そしてシベリア、そっちの経済活動をするってのは、いろいろな意見があるかもしれないけれど、そこをやっていくってのは・・・シベリア鉄道開発とか。だけど北方4島のところの経済活動、 (警察権、裁判権、徴税権等の) 帰属権が分かってないのに (共同経済活動は) していくって事になると「(ロシアが領有権を主張し、施政権を行使している4島の)現状 を追認したんですね」っていう話になってっちゃうんじゃないですか。
[出水]ロシアの方から見るとかなりそう見えちゃう。
[田中]だから僕はむしろ、急がば回れかもしれないけれど、サハリン (樺太島) とかシベリアの方の経済活動 (を進めていく) っていうのだったら「それで北方領土もどうですか?」っていくんだけど。それともう一個、(バラク・)オバマ氏が「選挙の時にインターネット上でハッキングとか盗聴とか大統領選に影響があるような事をやったのはロシアだ」って昨日、 会見 の時に言ったわけでしょ。しかも「この件は既に、9月の中国 (の杭州) でやったG7の時にもプーチン氏に、こういう重大な事は君の国柄だと君が判断しなきゃ出来ないだろ」と警告したっていうのまでアメリカから流れてきてるのね。
[田中]そうするとウクライナ・クリミア半島の所、もちろん、ウクライナという国にも (背後で欧米の勢力がうごめいている) 色んな事情があると思うけども、あそこの問題を対ロシアに対しては (欧米諸国は一致して) 制裁してるわけじゃないですか、日本もその一環に入ってるんで。そっち (との整合性) はどうなの?って世界から言われて い っちゃうと、なかなか苦しいよね。だから二階さんが「経済問題は大事だけども、人間は経済だけで生きてるわけではない」と。「もう少しその辺の問題に真摯に向き合って貰いたい」って。この幹事長の言葉ってのはもう一回考える必要があるかもしれませんね。
[出水](安倍首相とプーチン大統領の)お二人で行った会談の内容もね、どういった事をお話されたのか・・・。
[田中](ドナルド・)トランプさんが今度選ぶ国防長官ってのはエクソン・モービルって石油会社のCEO (レックス・ティラーソン氏) で、この人はプーチンさんと大の親友だというんで、上手くいくんじゃないかって言われてるけど、逆にプーチン氏からすると(ヒラリー・)クリントンさんじゃなくて、トランプ氏とアメリカとロシアが上手くいくんであったならば、ロシアと中国も上手くいってるから、そうすると逆にますます日本は影が薄くなっちゃうっていうかね。日本に今までロシアも経済苦しいから、日本に少し譲歩してでも「経済活動を手伝ってよ」って感じだったのが、アメリカとも仲が良い、中国とも上手くいってるって話になると難しい局面ですよね。
[土屋]そうですか。
[田中]その辺を是非安倍さんは、もっと、なんていうかな、まあ努力されてるんでね、より一層。
[土屋](トランプ氏は)孫(正義)さんとは仲良く話してて「投資してください」みたいな話をね。
[田中]だから、二階さんが言ってるところの、「もちろん経済は大事」。でも「政治ってのは経済活動だけじゃなくて、色んな国民の願いとか道理とか、そういったところだよって」事を、昨日、幹事長が仰ってるってのはね。
[土屋]なるほど。
[田中]あと、沖縄の件は「スターズ・アンド・ストライプス」(星条旗新聞 - Wikipedia)って (日本では) 六本木(の星条旗通り)にある米軍の基地 (赤坂プレスセンター - Wikipedia)の中の所の、米軍の (準) 機関紙と言われてる新聞、そこが「Osprey crashes off」って書いたんだよね。
[土屋]クラッシュ・・・。
[田中]でこれ、米軍の準機関紙だけじゃなくてBBCとかアメリカのFOXテレビって割合保守系って言われてるところ、あるいはロイターとかがみんな「crashes off」って。クラッシュってやっぱり「墜落」・・・。
[土屋]「不時着」ではないですよね。
[出水]「墜落」とか「大破」「衝突」とかですね。
[田中]しかも「スターズ・アンド・ストライプス」は、「The Marines described the crash as a “shallow landing”だって言ってるけれども (実は墜落なんだよ) 」って。“shallow landing”ってのは「浅瀬に着陸」なんだけども、でも、クラッシュって言葉はやっぱりね、車の衝突とか墜落だから。
[塙]って意味ですよね。
[田中]だから、オスプレイが良い悪いじゃなくてね、そこのところを日本のメディアだけが「不時着」って言っているってのは、まさに「逆レッテル張りになってんじゃないの」って。だってあれだけ壊れてるわけだし。
[出水]そうですね。
[田中]だから、オスプレイの主任分析官だったっていう国防研究所の人も「あそこは全部海なんだから、海に降りる事は出来る。でもあれは制御出来なくなったからああなっちゃったんだよ」って。それを (冷静に) 踏まえた上でアメリカと日本がきちんと手を取り合う(のが肝要なの)かな。
国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏は米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故について「航空機が制御できていた場合、機体の損傷を引き起こさずに水面に着陸できただろう。機体が激しい損傷を受けた事実はその航空機が制御不能であり、航空機を破壊するに十分な力で水面にぶつかったことを示唆している」と述べ、オスプレイが制御不能で墜落したことを強調した。
リボロ氏は在沖米軍トップのニコルソン在沖米四軍調整官が声明で、「県民や乗務員を守るために、意識的に浅瀬に着陸しようとした」と主張したことに対して「この声明は無意味でばかげている」と批判。「キャンプ・シュワブにはビーチがあり、ビーチ全体が緊急時に着陸可能であった。パイロットはどこにいても、墜落するしかなかった。私は問題の機密性を理解しているが、沖縄の人々と誠実に向き合うべきだ」と強調した。
[土屋]ちゃんと事実はね、伝えて欲しいですよね。
[田中]日本側が妙に遠慮しちゃうってのもね。
[土屋]そうですね。
[出水]実際にアメリカ海軍の安全センターは今回「最も重大な事故にあたると判断した」と、こういった事を公表してるんですね。
[田中]クラスAという分析にしてるっていうから。
[出水]ええ。重大なクラスにあたると判断しているという事ですね。
[田中]あとね、カジノってのもね、IR法案ってIRってのは「インテグレーテッド・リゾートIntegrated Resort」って「統合する」・・・。
[出水]統合型リゾートですね。
[田中]一般的に言われているのは「MICE(マイス)」って言われて、(Mは)Meeting(ミーティング)。いろんな会議がありますよね。お医者さんとか経済の団体の国際会議とか。IはIncentive(インセンティブ)つまり営業とかですごい成績を収めた人に褒賞ツアーで来て貰って泊まって頂いてお金を落として貰う。それからCはConvention(コンヴァンション)、だから展示会ですね、モーターショーとか。でEがEntertainment(エンターテイメント)と。で、これもまた二階さんが仰っているんだけれども、二階さん自身は元々カジノ推進の方なんだけども「私は観光を今日まで進めてきた者として、何もIRに頼る必要はなかろうという気は個人的にはあります」と。「ありますが、皆一生懸命やっていることだからいいじゃないか」と。「IRをやって観光を振興につなげようというのはそんな単純じゃない」みたいな事を言ってるんですよ。
[田中]だから大事な事は「カジノさえ出来れば一杯お金が落ちる」事だと(単純に捉えるのでなく)、今までほら、「立派な文化ホール作れば各地域、流行る」って言って(総務省が音頭を取って地総債・地域総合整備事業債でハコモノを林立させ)たけど閑古鳥が鳴いちゃうのと似ている。
[田中]で、それともう一個は、大事な事は「世界中に100カ国カジノがあるからカジノは良いんですよ」って(語る人がいる一方で)、「カジノ=悪」みたいなイメージがある。僕(自身)はカジノってのは積極的に、前向きに捉えてる方なんですけどね、だけど世界のカジノって実は売り上げが18兆 (円) だと言われてるんですよ。それに対して日本は競馬とか競輪とか競艇とか公営ギャンブル、あるいはパチンコというのもパチスロがあるからスロットマシンみたいなものじゃないですか。そうするとこれが全体で日本は30兆円弱売り上げがあると。1万2000 軒 あるパチンコ屋さんの売り上げが大体23兆円くらいある。
[出水]へー。
[田中]って言われてるんで、だからそうすると僕は、ラスベガスもカジノの町って (世間では) 思ってるんだけど、グーグルとかアップルの展示会ってみんなあそこで発表するわけじゃない?しかも家電のフェア (国際家電見本市) とかもあそこでやる。
◎ラスベガスで開催される見本市・展示会一覧
https://www.jetro.go.jp/j-messe/?action_fairList=true&type=v2&v_2=003&v_3=003&v_4=067
[田中]そこに家族連れで来て、あるいはお医者さんとかの学会もあって、そこでカジノがある。
[土屋]カジノだけじゃない。
[田中]だから、カジノだけじゃないものをどう作るかってところが見えないと多分、皆さんは「なんでかな?」って思ってっちゃう。
[塙]なるほど。
[田中]ただ、トランプさんの(来年)1月の大統領就任式の実行委員ってのが20人発表されたんですけど、その中の3人はアメリカのカジノ王。
[出水]そうなんです。「ラスベガス・ビック・スリー」と言われている人達なんです(笑)。
[田中]そう(笑)。
[土屋]そうなんですね。
[田中]元々トランプさんもラスベガスにホテルを持ってるくらいだからね。
だからトランプさんへのプレゼントなのかもしれないけど、一方で、国民がきちんと理解していく形、だから僕はやっぱり与党である公明党の山口那津男さんがね、山口さんとか他の幹部の方も(参院本会議のカジノ法修正案の採決で)反対をしたってのは、苦渋の決断って言うよりも、ちゃんと国民に理解して貰う・・・。
[塙]「ちょっと早い」って言ってましたね。
[田中](審議時間が)6時間だったり、最後なんか「質問の時間が余ったから般若心経を読みました」とか(笑)。
[出水]いらしゃいましたね。
[田中]「それはどうよ?」って。だから僕はカジノってのは、ラスベガスだけじゃなくて ヴェネチア とか、あるいはドイツのバーデン ・ バーデンって温泉保養地があるんですよ。
[田中]そういった所にもあるんですよね。それはハイ・ソサエティとか高級って事じゃなくて本当に知的というかね、賭博っていう感じじゃなくてある。そういうものの中で、そして世界から人が来て、そして展示会とかね、会議もあるっていう一環に位置づけるってのを見せないと。
[土屋]難しいですよね。ギャンブルって収益をあげたいんだったら、ギャンブルにはまる人がいないといけないから、だからギャンブル依存症の対応をしながら収益をあげたいって両立するのかなっていう。
[田中]今回の ( 「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」=IR推進法) はね、「基本法です」と。「基本法だから、これからどういう風にやるかの法律を1年かけて作ります」って言ってるんだけど、でもやっぱり国民からしたら全体がきちんと見えて、空理空論じゃないそもそも論が見えないと、カジノを望んでる方にとっても今回の通し方は逆にちょっと厳しいかなって。
[出水]そうですね。しこり・わだかまりの残る形ですよね。
[塙]「カジノもあるよ」みたいな感じにね、すれば良いんですよね。
[田中]だからそれを推進派の人達は「全体のIRの敷地の3パーセントがカジノですよ」って言ってるんだけど敷地の面積の話じゃなくてさ(笑)。そうであるならば (猶の事) 、もっと皆が腑に落ちる説明を。だから私は ヴェネチア やバーデン ・ バーデンのカジノとか、あるいはニースとかのものってのはもうちょっと違う感じだから。
[出水]成長戦略にするとなると、やはりそれなりの規模で派手にやらないと、という気もしまよね。
[土屋]そうですよね。「せっかく作ったのに」っていう事になりますから。という事でありがとうございました。「常連さんにきいてみよう」のコーナーでした。
- 作者: マイケル・ジャクソン,田中康夫
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