2016年12月08日 TOKYO MX「モーニングCROSS 田中康夫 史上最悪な突っ込みどころ満載な自己弁護に終始したDeNAゲス会見 クリエイティヴな新しい「ホワイトカラー」の働き方」
[堀潤]さあ田中さん、テーマの発表をお願い致します。
[田中康夫]はい。「クリエイティヴな新しい「ホワイトカラー」の働き方」を。
[宮瀬茉祐子]政府与党は6日、労働時間規制の緩和を柱とする労働基準法改正案の今国会での成立を断念しました。会期末が14日にせまり、十分な審議時間を確保できない事が理由で、政府が進める長時間労働の抑制と矛盾するとの指摘があるほか、電通の新入社員の過労自殺が社会問題となる中、世論の反発も懸念されています。
[堀]いわゆるホワイトカラー・エグゼンプションってずっと議論してますけど、無理なんじゃないかな。
[田中]で、ちょっとこの話をする前に、昨日、延々と会見をやったDeNAの事は視聴者は関心があると思うので。
[堀]そうですね。
[田中]私からすると、あれは「史上最悪な突っ込みどころ満載な自己弁護に終始したゲス会見」だった気がするんですよ。というのは創業者の南場智子さんが「医療情報はネットは役立たないと分かってました」って言ってるわけでしょ。それでいながらそれを開いたって事は、監督責任や経営責任はどうですかって事になるわけですよ。
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[堀]他人事かと。
[田中]しかも、担当役員だった村田マリさん(株式会社ディー・エヌ・エー執行役員メディア統括部長、Palette事業推進統括部長、iemo株式会社代表取締役CEO)(村田マリ - Wikipedia人物紹介 : https://ja.wikipedia.org/wiki... )という方は「体調不良なのでシンガポールから帰国してません」って、じゃあ、あのサイトを見て「あなたが肩が凝るのは、それはやっぱり悪霊が憑いてるんです」って書かれたのを信じた人の体調不良はどうするんですか?って事でしょ。
[堀]そうですね。メディアの責任。
[田中]ましてや、急激な成長の下で「書いていた人達は仕事でなく趣味で書いてくれてた」って言うんだけれども、だけどそれは一個100円(記事1本の原稿料)とかってブラック企業になっちゃうでしょ。ましてや、守安功(代表取締役社長兼CEO)さんって方が「法務部がチェックしたものには問題はありません」って法務部がチェックしてなかったのはあるんですか?って事になってしまうと、あえて言わせて頂くけれども、「数字だけを追い求めた同好会になってしまってたんじゃないのか」っていう事じゃない?そうすると、「霊感商法」を批判できないし、もっと言うと、残念ながら、日本的謝罪をって言うんじゃなくてもね、縷々喋るんだけど、巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)になってしまっていたのが、しかも(守安氏は今後も自分が陣頭指揮して)続投しますって(、会見でドヤ顔されちゃったって)いう話になると。
役員紹介 | 株式会社ディー・エヌ・エー【DeNA】: http://dena.com/jp/company/officer.html
[堀]大手企業の責任としてそれで良いのかというところはありますね。
[田中]なのでね、高校の時に習った言葉(英語の言い回し)で「It Cannot Be Helped DeNA(涙)」と。「もう救いようがない(DeNA(涙))」。
[田中]だけどこれはやっぱり、他の真面目にやってる人達も思うし、キュレーションっていう・・・だって他の人のものを全部貰ってしまう・・・。
[堀]集めてくる。
[田中]・・・っていう、「情報をまとめる行為には価値がある」って言いながら、それは何だったのかっていうと企業体としてどうなのかなと。
[堀]タダ乗りもいいところですよ。(取材で)情報を集めるのに、本当はコスト掛かっていますから。そういう意味で言うと、会見の様子などネット上に公開されてます。そしてBuzzFeedがね、これを追求してきたわけです。だから全部ひとくくりに「ネットメディアは駄目」っていう、新聞はそう書きがちなんだけど、ネットメディアからネットメディアの追求があったわけで、その辺も是非。
[堀]さあ、田中さんそうした中・・・。
[田中]実は、元々ね・・・。
[堀]「ひとこと言いたい」(笑)。今日は2つ言いたい(笑)。
[田中]そうそうそう。
[堀]1つ目はDeNA、2つ目が・・・。
[田中]元々、前回「同一賃金・同一労働」とか「終身雇用・年功序列」って話をやったんだけれども、
[田中]これは何かって言うと、日本の労働基準法ってのは本音と建前になってるわけですよ。すなわち、「1日8時間で、週40時間で、週1回の休みは原則」って書いてあるんだけれども、第36条の三六協定というものがあると。
◎労働改革
http://www.jca.apc.org/labornow/rodokoza/20140623.pdf
◎日本の労働社会の改革 -EU と比較して-2014.6.23 田端博邦
日本では「1週間につき40時間、1日につき8時間を超えて労働させてはならない」と法律で定めているものの、労働基準法(労基法)に基づく「三六協定」で労使合意による届け出があれば、これを超えて労働させることができるのが現状だ。「事実上、国は長時間労働を野放しにしている」(情報労連)として、労基法に対する批判も少なくない。
厚生労働省の調査によれば、残業時間に比例して睡眠時間が短くなり、それが健康上のさまざまなリスクを引き起こすことにつながっているという。
従業員の休息時間をいかに確保するか――。情報産業労働組合連合会(情報労連)は11月16日、勤務開始時間までに一定の休息時間を確保する「勤務時間インターバル制度」の必要性や導入状況について説明した。
同制度は、24時間につき、最低でも連続11時間の休息を設ける制度。例えば、前日の勤務終了時間が午後11時だった場合、翌日の勤務開始時間は午前10時以降でなければならない。この制度は欧州連合(EU)諸国で義務付けられている(EU条約第137号)。
http://www.jca.apc.org/labornow/rodokoza/20140623.pdf
[堀]労使で合意ができていれば(労働時間の)延長可能、休日出勤可能という話ですね。
[田中]で、これは本音建前になってて、この形の中でどうなっちゃうのっていう形で、EUでは93年に作られた「勤務の間にお休みを取りましょう」と。
[田中]「それは11時間です」ってなってんの。これを労働組合系の人とか、労働問題の専門家とか、人事問題の専門家はこれ言うんだけれど、僕ね、これは非現実的だと思ってるんですよ。だって例えばね、今回の広告代理店の人も「夜10時に消灯します」って、でも、10時以降の番組担当してる営業の人は、突発(の放送)事故があった時に「(過労死等防止対策推進法に基づき)明日の朝までしない」んですかって事じゃない。あるいは、ドラマの撮影、CMの撮影、あるいは雑誌とか新聞の校了とか、夜越えてやるわけでしょ。夜中でないと盛り上がらないかもしれない。で、じゃあ、そのインターヴァルを取る事も大事かもしれないけれど、鎌倉に住んでる人と港区に住んでる人では通勤時間(の違いと睡眠時間の違い)もあるし、11時間って権利だって言ってるんだけれど、私達の新しい権利を考える必要があるんじゃないかと思ってるんですよ。
[堀]どういうあり方があるのか。
[田中]というのはこれがYa'ssyの提案で、原稿にも書いたんだけれども。
[堀]Ya'ssyの提案。
[田中]つまり、睡眠時間3時間でドラマを3日間(連続で)撮る人もいるでしょ。
[堀]現場によってはね。
[田中]それをね、(次の仕事までの間に)11時間(の休息が)取れないとするならば、インターヴァル時間(の設定)が(そもそも)11時間が(妥当か)どうかは別として、その(足りていない休息)時間を合算をして有給とは別に来月に取れるという形。でも「そんなの(通常分の)週休2日で8日貰ってるから(更なる休みは)いらないよ」なんじゃなくて、「それを貯金をしておいて最大2年間で、その後、長期の10日間とか2週間とか海外にも行けます」みたいな形。「ホワイトカラー・エグゼンプションは残業代出ませんよ」って話になってきてるから、本当にクリエイティブ(な分野の人)ならばあれだけれども、そうでないところの(職種の)人たちは本当にサーヴィス残業になってっちゃうかもしれない。
「勤務間インターバル規制」とは? - 『日本の人事部』 https://t.co/ssG2ojuHt9 @jinjibujpさんから
— ●田中康夫関連ツイートまとめ● (@nippon2014be) 2016年12月8日
[堀]もっと柔軟な運用を考えて、一律これですって枠組みじゃなくてって事ですよね。
[田中]でね、元々、ヴァカンスってのはフランスの統一戦線の時代(1936年から1937年まで「反ファシズム」を掲げたフランス社会党、急進社会党、フランス共産党など諸政党の連合政権)に出てきたものでもあるわけですよ。そうするとやっぱり、起業した人って、僕の同僚なんかでも「いやもう、銀行に(資金繰りで)頭を下げて、去年家族と休み取れたの年に2日だよ」って言ってても(自分で判断しての行動だから)疲弊してないわけじゃない。つまり晴耕雨読ってのは自分で考え自分で動くんだけれど、タイムカードが無い時代から、その勤務をしなさいって(上司や周囲から)言われるのは、どんなに(それが)クリエイティブ(な仕事)でも疲れちゃうわけですよ。そうすると、そこからヴァカンスの概念も出てきたのでね、細かい(規則を設ける)事(ばかり)を人事担当者は言うんだけれど、僕は電通の場合でもシンプルでインパクトのある新しいクリエイションの、上から目線じゃないホワイトカラーの働き方っていうものを出していかないと、と思うの。
[堀]やっぱりそうですね。在り方をどう考えるかという事ですね。
- 作者: マイケル・ジャクソン,田中康夫
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