2016年07月26日 FM YOKOHAMA 「たまらなく、AOR」
昨日から今日へと、
曜日はJST日本標準時で水曜日へ。
一つ、前に進みました。
今週も、ようこそ「たまらなく、AOR」の世界へ。
1970年代半ばから80年代、そして90年代の初頭まで。
私たち、一人ひとりが、光り輝いていた時代の音楽。AOR。
それは、所謂「イデオロギー」とは無縁の、
都会的で、洗練された、しなやかなメッセージ。
慎み深いディーセントな誇りを抱いて、日々、
世の中と向き合い続ける貴方の1日の終わりに、
クワイエット・ストームな癒(いや)しを、届けてくれる
「たまらなく、アーベイン」な音色。
AOR。
それは、セピア色になりかけていた私たちの記憶のアルバムに、
ささやかだけど、確かな息吹を与えてくれる勇気と希望のメロディー。
それぞれの楽曲を聴く度に、一つひとつの想い出が、ほのかに蘇ってきます。
私たち一人ひとりは微力かも知れない。でも、決して無力な訳じゃない。
今晩は。田中康夫です。
5千枚あまりのYa’ssyレコードコレクションの中から
選(よ)りすぐりの楽曲を
ゆったりと、しっとりとお聴き頂く、
2年目を迎えた「たまらなく、AOR」。
クワイエット・ストームな今夜のプレリュードとしてお掛けするのは1978年 Valerie Carter "Crazy"。
M1.Valerie Carter – Crazy 1978
1978年 Valerie Carter "Crazy"でした。彼女はJames Taylorのバックコーラスを務めていた人物。そしてこの2枚目のアルバムにあたる"Wild Child"、Jeff Porcaro、David Hungate、TOTOを結成する直前のメンバーが参加をしています。そしてギターもSteve Lukather。そしてSteve Porcaroです。彼女の1枚目の"Ooh Child"という大変に有名な楽曲が入ったアルバム、こちらはですねEarth, Wind & FireとLittle Featという大変なミスマッチの参加ミュージシャン、そしてJackson Browne、Linda Ronstadt、John SebastianやDeniece Williams、John Hallまで入っていたというアルバムでありました。
そして続いては2曲。1980年 Amy Holland "How Do I Survive"。そして1982年 Michael McDonald "I Keep Forgettin"。どうぞ。
M2.Amy Holland – How Do I Survive 1980
M3.Michael McDonald – I Keep Forgettin 1982
1980年 Amy Holland "How Do I Survive"でした。ニューヨーク生まれロサンジェルス育ちの彼女。1977年にDoobie BrothersのMichael McDonaldに才能を認められて、そしてデビューをします。この"How Do I Survive"は全米22位となりました。そして彼女は1983年には2枚目のアルバム"On Your Every Word"を発売をします。
このアルバムはですね、同様Michael McDonaldがプロデュースして、ギターはSteve Lukather、あるいはドラムはJeff Porcaro、サックスにTom Scott、ベースにLouis Johnson、そしてRichard PageとSteve George、AmbrosiaのDavid Packも曲を提供したりバックコーラスで参加をしてるという、本日1曲目にお掛けしたValerie Carterの1枚目のアルバムがホントに良い意味で"Crazy"な程のですね幅広いミュージシャンで構成されていたと申し上げましたが、こちらも負けず劣らずです。と申しますのは本日の3曲目としてお掛けした1982年 Michael McDonaldの"I Keep Forgettin"、このMichael McDonaldはまあAmy Hollandに恋焦がれてしまい、そして彼女を伴侶とするのですね。後に彼女は、10年程の闘病生活を行う中で音楽活動よりも彼を支えるという立場になります。Michael McDonald自身はもう皆さんもご存知のようにセントルイスで1952年に生まれましたが70年にロサンゼルスへ移住し、そして74年にSteely Danのツアーメンバーとして参加をします。翌年1975年にTom Johnstonの代わりにDoobie Brothersに参加をする。それまでのDoobie Brothersのサウンドがより洗練されたAORへと移行していき、グラミー賞を受賞するようにまでなった、これは彼の功績ではないかと言われています。1982年に彼はソロ活動を始めるわけです。
続いてお掛けするのは"Yah Mo B There" 1983年の楽曲でこちらはJames Ingramとのデュエットであります。無論Quincy Jonesのプロデュースです。どうぞ。
M4.James Ingram & Michael McDonald – Yah Mo B There 1983
ご存知Quincy JonesのQuestレーベルから1983年の作品、"Yah Mo B There"、Michael McDonaldとJames Ingramでした。この楽曲は"Yah Mo B There"の後に"up and over"と男性のヴォーカルが歌ってんですけど、これが当時はですね「はっきょい!」とかですね、「ひゃっくり」とかですねこういう風に聞こえたではないか、とですねディープな噂がありました。実は私の友人がアメリカに住んでいた頃に自分の子供が、勿論自分よりもですね子供の方が英語が喋れてしまうと。で、友達と遊んでいた子供が帰るときに「明日やろう!」って叫んでんのに、あなたは何日本語を言ってんの?ってったら"I'll see you again"というのがですね「明日やろう!」って、いやそういう風に言ってるんだからと子供は言ったというんですけど、ある意味ではそれに似たような感じが"up and over"が「はっきょい!」に聞こえてしまったかもしれません。
今夜も私、Ya’ssy田中康夫の選曲でお届けしてきた「たまらなく、AOR」
お聴きになりたい楽曲を始めとするご提案は
お掛けしたAORの楽曲をジャケット写真と共に紹介するサイトも、
FM yokohama HPの番組紹介ページからどうぞ。
私、田中康夫の新しい公式サイトhttp://tanakayasuo.me/ でも
更なる楽曲の余韻をお楽しみ頂けます。
「たまらなく、AOR」今夜のエピローグは、同じくJames IngramがPatti Austinとデュエットをしている1983年の楽曲"How Do You Keep The Music Playing"です。1952年にオハイオ州生まれのJames Ingram。この番組でも既に2曲お掛けしています。昨年の12月8日" There's No Easy Way"。そして今年の4月19日の深夜にはこれからお聞き頂くPatti Austinとの別のデュエット"Baby Come To Me"をお掛けしています。James Ingramというとですね一般的には彼の"Just Once"。この楽曲が非常に有名ではあります。まあしかし敢えて一番目を掛けないのがYa’ssyの選曲の妙でありまして、今夜もPatti Austinとの別の楽曲"How Do You Keep The Music Playing"をお掛けするわけですが、まあ大変ないぶし銀の実力者でもあります。
来週も、火曜から水曜へと、またひとつ、曜日が前へと進む時間帯に、みなとみらい横浜ランドマークタワーから、あなたの元へ、クワイエット・ストームな音色を、お届けしましょう。1983年 James Ingram&Patti Austin "How Do You Keep The Music Playing"。
それでは、また。
M5.James Ingram & Patti Austin – How Do You Keep The Music Playing 1983
w/lyrics
(Verse 1)
How do you keep the music playing
How do you make it last
How do you keep the song from fading too fast
How do you lose yourself to someone
And never lose your way
How do you not run out of new things to say...
(Verse 2)
And since we're always changing
How can it be the same
And tell me how, year after year
You're sure your heart will fall apart
Each time you hear his name
(Chorus)
I know the way I feel for you, it's now or never
The more I love, the more that I'm afraid
That in your eyes I may not see forever, forever...
(Verse 3)
If we can be the best of lovers
Yet be the best of friends
If we can try with every day to make it better as it grows
With any luck, then I suppose, the music never ends
(Chorus)
I know the way I feel for you, it's now or never
The more I love, the more that I'm afraid
That in your eyes I may not see forever, forever
(Verse 3/Repeat)
If we can be the best of lovers
Yet be the best of friends
If we can try with every day to make it better as it grows
With any luck, then I suppose the music never ends
How do you keep it playing, baby...
Oh...
I wanna know, how do you do it...
How... do you keep the music playing... over and over...