2015年01月12日 TOKYO MX 「モーニングCROSS 田中康夫 『私はシャルリー』運動と移民受け入れ問題」
[堀潤]様々入っている中から田中さんお願いします。
[田中康夫]はい、今日は私は「私はCharlie」と移民問題っていうのをやってみたいです。
[脊山麻理子]はい、フランスの新聞社銃撃など一連の事件で犠牲になった17人を追悼し表現の自由を訴える大規模なデモ行進が11日、パリで行われました。
[堀]一連のテロで捜査当局は事件に関連があるとしてアヤト・ブメディエンヌ容疑者の行方を追っているということです。この写真の女性ですね。表現の自由、でも一方で議論が起きているのは宗教の非常に繊細な話を風刺にしないで欲しいという声もあります。実を言うと2006年にですね、漫画家達がですね国連の呼び掛けである一つのグループを作りましてこれで表現の自由と各国の文化・宗教についてそのバランスをどう考えるのか、ということを話し合う会議がですねずっと20年続けてきたんですよね。それについての、実は今回殺された風刺画家の皆さんもそこに参加していた方々だったということですが、田中さんはどういう観点で・・・。
[田中]この「Je suis Charlie」ってのは英語読みすると「チャーリー」なので元々チャーリー・ブラウンから週刊チャーリー・ブラウンということで始まった新聞でもあるわけです。逆に言うとね、私が連載していた『噂の真相』がもっと過激でグロになったというようなものでもあるわけ。でも逆に『ニューヨーク・タイムズ』の、非常に保守派のデビット・ブルックスっていうコラムニストは逆に、だからこそこうしたものを守ろるのだ、って暗にアメリカの政府の硬直性を批判してるんですけどね。ただ私は一方で思うのはやっぱり大きな声で正義を語ることには何かいかがわしさやキナ臭さがあるって感じがあってね、今回も勿論、テロはいけないことです、でもこれがいけないと言う事で何百万人もが集まるということは、もしかすると、でしかも「ラ・マルセイエーズ」を歌ったわけですよ、革命の歌を。みんなが歌って三百何万人が歩くという事はもしかするとこれは為政者にとってはとってもね、好都合な目隠しをするような、そしてみんなが拳を挙げて唱和するというのは大政翼賛運動かもしれない...というところがあってね。
[堀]かつてナチスがね党勢を勢いづかせたのは左翼を許さないんだっていうことでドイツ国民束ねて・・・。
[田中]ましてや「すばらしいフクシマのお陰で相撲が五輪の競技に採択されました」っていうとても不可解な人間の絵を描いた漫画の寄稿者もこのなかの犠牲者の一人である・・・。
[堀]そうですね、風刺画でね。
[田中]この時には日本の政府は、こんなけしからないね、まさに汚染水問題に関しては誤った印象を与えたんだ、けしからん、て抗議までしているんだけどもそれが全部消え去ってしまって、勿論表現の自由はあるんだけどそれが何か「正義」になってっちゃうことの怖さというのが一個あるんじゃないのかなと。
[堀]なるほど。細かな色々な問題を全部覆い尽くしてしまうような、強いメッセージと。
[田中]でも一方で考えてみれば植民地政策・移民政策をしてきたという製造者責任があって、そしてフランスにおいては今イスラム教徒が10パーセントを占めてる。じゃその人達の子供がブルカというベールを被って学校に行くことを法律で禁止をする、そりゃ極論すれば日本の人が一杯増えた時に着物着て学校に来るなってのと極論すれば同じような事でそうしたところの今までのものが全部ネグレクトされてしまっていることは冷静に考えなきゃいけないと思うんです。で、翻って移民の問題ということです。
[堀]これ日本でもね、まったく他人事では無いです。
[田中]実は去年の二月にですね「目指すべき日本の未来の姿について」っていう内閣府がですね、これはあの経済財政諮問会議という皆さんご存知の内閣総理大臣が議長のところでどういう議論をしているかと言うと、移民を20万人ずつ受け入れた場合には1億1,000万人程度を維持できるんだ、ということが公然と書かれているわけね。
[堀]安倍総理もね1億人維持ということですからこれは暗に移民を受け入れていくなかでの目標になっていくということですね。
[田中]そのなかで「選択する未来委員会」っていうのが作られてここでの文書はどういう文書を、政府が出してる文書は「少子高齢化に伴って急減する労働人口の穴埋め策として外国からの移民を毎年20万人受け入れて合計特殊出生率を回復すれば100年後も1億人を保つことができる」。でも厚生労働省が出してる日本の人口予測というのはどんなに出生率が高まってったとしても2060年、約50年後には8700万人、100年後の2110年には4300万人だ、と。そうするとこれはもしかしたら机上の空論ですか?と。でそうなるとまさに経済財政諮問会議で今まで議論されてきてることはまさに移民の人達が出生してくれるから、そしてその人達には国籍も与えます、と。私は移民が良い悪いの前にこうしたことはもっと国民にメディアも含めてですね公開をして情報を公開をして国民が選択すべきことなわけですよ。ところが実は去年の6月にこれは閣議決定ですから更に重い内容なんですが閣議決定では、2020年を目途としてトレンドを、つまりトレンドってのは先程言った様な形です、を変えていくことで、50年後にも1億人程度の安定的な人口構造を保持することができる、と閣議決定してる。これまぁ、今日「なんだよこの番組、左巻きかよ~」って時代錯誤な事を言ってる方々は「いやぁでもその事はちゃんと否定してくれてる筈だよ」って言うんだけど閣議決定なんで、もっと言うとね、昔鳩山さんという方が居てこの方が「日本列島は日本人だけのものでは無い」った時に「m9(^Д^)プギャー」ってお怒りになった方々が居たわけですよ。で鳩山さんのような政治はいけませんと言って出てきた人達が、これをするってことは、これは厚生労働省が冷静に判断してる...と。じゃあ50年から100年後には55パーセントから60パーセントは元々のニッポンのDNA以外の人達になりますよ、と。そうすると習近平さんやバラク・オバマさんやあるいはニコラ・サルコジさんが首相になるかもしれない、だけどそれはやっぱり皆が議論しにゃきゃいけないし、あるいはサルコジさんというのもご存知のようにハンガリー系のユダヤ人だと。でもその人が大統領になったらマイノリティをもっと擁護するかと思ったらそうでは無い、もっとフランスの中で新参者達を迫害するが具合になってきたのでね、だから「ニッポンを取り戻す」ということが「ニッポンを取り壊し」たり「トリモロス」ことになるのかどうか、そこはやっぱりこの閣議決定を踏まえてメディアがもっと国民に議論を呼びかけるべきじゃないかなということを今日...でないとまさにこの、書かれているように「都合の良い」目隠しをしてしまう問題になってそして更なる襲撃が起きてっちゃうかもしれない、ということだからね。
[堀]はい、番組では移民についての話とかもね度々取り上げてきましたけど、もっと議論をして...
[田中]まぁ、その辺りはこないだのあたしの本のなかでも「登場人物が」語ってはいるんですけども。
[堀]なるほど。
- 作者: マイケル・ジャクソン,田中康夫
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