2015年01月09日 J-WAVE 「堀潤 Jam The World Cutting Edge 安倍政権による沖縄県翁長知事への対応を巡って」 電話ゲスト 田中康夫

【字幕】2015年01月09日 J-WAVE 「JAM THE WORLD Cutting Edge 安倍政権による沖縄県翁長知事への対応を巡って」出演 堀潤 田中康夫

Jam The World the cutting edge

[堀潤]J-Wave Jam The World 金曜日は堀潤がお送りしています。続いてはcutting edgeのコーナーです。安倍政権による沖縄県翁長知事への対応が冷たいのではないかと話題になっています。今週、翁長知事が上京した際、去年12月から日程調整していた西川農林水産大臣との面会は日程が合わないと理由で実現せず。また沖縄振興費は概算要求の金額から一気に700億円削られる方針です。普天間基地辺野古移設反対を掲げて当選した知事とはいえ、政権のこうした対応に問題は無いのでしょうか?元長野県知事田中康夫さんにお話を伺います。田中さん、こんばんは。

[田中康夫]はい、こんばんは。

[堀]よろしくお願いします。

[田中]はい、こちらこそ。

[堀]えー今風に言うと所謂「塩対応」なんて言うのかもしれませんが安倍政権の翁長知事への対応というのはどうご覧になってますか?

[田中]まーあの、日本には元々「金持ち喧嘩せず」っていう格言があったんだけど「金持ち喧嘩する」...っていう話ですかね(笑。

[堀]んー、まさに金を握っている側の強い政府が逆に言うと翁長さんにあからさまなこうした対応というのは、誰の目から見ても少し偏りがあるんじゃないかと思ってしまいますけども。

[田中]まー一般的にはこういうのは大人気ない、と言われるんでしょうけども、でも逆にこれが子供っぽくて快哉を叫ぶ人達も居るのかな?思ってらっしゃんのかもしれない。

[堀]田中さんに是非お伺いしたいのは、自治体の長とそうした中央政府のですね、閣僚含めどのようなパイプがそもそも存在するのか、どうした関係性なのかというところを是非お伺いしたいんですが。こうしたあからさまな対応というのは過去にも例があるものなんでしょうか?

[田中]パイプと言う場合には普通ヒラメのように上を見ている人は「愛い奴っちゃ~」ということでパイプがあるという形でしょうからね。

[堀]沖縄県の場合はまさに現知事がパイプがある状況で...

[田中]まぁ、パイプという言葉はまさに記者クラブが好んで使う言葉だとは思いますが、だけど一方で私が丁度県知事になった2000年ってのは地方分権一括法というのができてね、まさにだから法律の上では地方、まぁ地方と言う言葉がどうかも、まぁ現場ですね。現場と中央の政府という机上の空論になりがちなところは、本来対等の関係なんだ、という法律ができたわけですね。でも現実にはなかなか「愛い奴」か「愛い奴で無い」かという形で判断していくの、というのはまぁ昔からあるでしょう。ただこの場合少なくとも役所というのは一旦決めた事をなかなか変えないというところであると、大臣との農水大臣との面会を少なくとも事務レベルで約束をしていた事を突然にちゃぶ台返しをするというのはそれはやはり他の国の場合でも少し大人気無いという、謗りは免れないでしょうね。

[堀]知事が閣僚に会いたいとリクエストすれば、調整はつくものと考えていて良いんでしょうか?

[田中]ま、大臣というのは逆に言えば役所からすれば一日警察署長みたいなものですから...

[堀]はっはっは、なるほど(笑。

[田中]むしろ具体的な話をする場合には私の場合には例えばむしろ大臣よりも事務次官であったり担当局長であったり、そうした人と膝詰めの話をするという方が意味はあったとは思いますが、ただ大臣と会うってのは一つのセレモニーですから、だから大臣が会わない、約束したことを直前にキャンセルをするというのはそれは政府の逆に言えば「意思」だということですね。

[堀]んー、本来であればまぁ安倍政権はどのような対応を取るべきだと思われてますか?

[田中]ていうか、今日も実はですね、安倍晋三首相は官邸で国と地方の協議の場というのを行いましてこれは全国知事会長であったり全国市町会長であったりその役職者が中心だと思いますが、その地方創生という事に関して積極的な取り組みに手厚い支援をするんだ、ということを言っているわけ、そしてまた他方でその会合の場で分権の推進は地方創生の重要なテーマだと。で、分権の提案が地方から寄せられたものに関しては、積極的に各省庁の抵抗を乗り切って実現をしていくんだっていう挨拶をされているわけね。で、またそれに対してまた全国市長会長の長岡市長の森民夫さんというのも、地方の実情は千差万別なんだから一律の基準でやらないで欲しいってことを述べているのでね、その意味で言うとこれはブーメランとして戻ってくる話かな、という気もしますね、うん。ただ、その国の場合はマスメディアは今日もね、その総額4200億円の自治体向け交付金を創設するって、4200億円って日本の借金は今1時間に60億円ずつ増えてますから、4200億円すごいように見えますけど、これ僅か二日半の借金分なんですよ。でこれを自治体に争奪戦をさせるというけど、まさにこれはその地方の大変に意欲のある提案を呑むというよりは、「愛い奴」達にお金をあげますよ、っていう形だから、それをまた貰えると僅かな金額で喜んでしまうというこの構図をどう変えるかということだと思いますね。

[堀]この沖縄の事例についてはやはりその基地という大きな他の自治体とは異なる面での問題があるわけですよね、そうした中で田中さんはこの基地問題についてはそもそもどういった対応を進めるべきだと思われていますか?

[田中]ただ今回の翁長雄志さんの支持をされた方々のなかには所謂「市民派」とか所謂「革新」ということでは無くてですね、現実問題としてそのー沖縄の観光業においては非常なシェアを占めてるような企業の方であったりですね、かなり所謂、東京から見ていた沖縄が基地依存しなければ経済は成り立たないのではないかということは現実の数値を交えてですね、違うということを述べてる。そしてこれは前知事の段階でも実は事務方のかなりの部長達は私は何人もお目に掛かかったことが会議でありますけども、その基地依存型では無いことが私たちは出来るということは実は前県政でも述べてた事なんですね。そしてそれが県民の支持を得て今回の翁長県政になったんですから、やはりそのことにポーズだけでは無くて耳を傾ける、実際にどうすんのかと示す必要が僕は政府の側にあると思いますね。

[堀]んー。

[田中]で、こういう事言うとねよく中央のメディア、まぁ大手町辺りにあるメディアは非常に、いやいやそんなの向こうが逆に地元のメディアも沖縄のメディアも含めて翁長氏と一枚板というのが翼賛だって言うけどそんなことはまたブーメランになってしまうのでね、それともう一つ言えることはでも、いやぁ如何せんでもそれは県でしょ、しかも沖縄はその中央のお金に依存してるんでしょっていう人が居ると思います。でも私の知事の経験からすると実は翁長さんには幾つもカードを切ることができるわけで、それは何かっていうと例えば国の直轄事業という公共事業があります、たとえば国が作る、県では無いダムであったり国が作る道路であったり、で、それは必要なものもあるでしょうけども地元の実情からすると、もう何十年も前の計画なのでこれはどうかな、というのがあると思います、そうすると国の直轄事業に関しても実は自治体、県都道府県がですね30%のお金を負担することになってる。そうするとじゃぁこれを私たちは負担をすることは地元の為にならないっていうカードを切ることは出来んですね、で、現実に私が知事の時も県営の9つのダムを中止するだけじゃなくて国が計画をしていた戸草ダムというのがあって、これのそのダムを建設に向けてのその、調査費というものを県負担を留保しますということを言ったんです、そうすると面白いことに役人の人達の中にも先輩が決めてきたことを自分が自ら前例を変えることは出来ないけれど自治体の側がそう言っているのならば、このダムの計画は一旦中止にしましょうと言う動きになったんですよ。

[堀]そういった意味で言うと、翁長さんがですね国に今政府がこういう対応なので、粛々と翁長さんが進めるべき、まぁ基地が無くてもやっていける沖縄の姿というのを具体的に示しながら実行していくということを進めていくしか道がなかなか無いですよね。

[田中]まぁ、「しか」と言うよりもむしろこれはポジティブに考えることであろうと思いますね。と同時にやはり沖縄県の県単独事業すなわち沖縄は現在個々の個人が払う県民税は微々たるものだと仰るかもしんないけど、人口が唯一増えてきてるとこですからね、そうすると沖縄の県単独事業つまり国の補助金が付かなくてもやれる事と言うのがあるんです。これが非常にシンボリックな形で県民もあるいは中央のメディアもなるほどと言うような事を国がお金をくれなくても私たちは一歩踏み出しますと、まぁ長野県で言うと木製ガードレールというものを作ると、これが地域の雇用が5倍になるのだ、と言う事を言えばこれは国交省の中でも心ある局長達はそれを認めていくんですね、ですからその単に国が意見を聞いくれないそれはまぁ官邸がということでしょうから、しかしその役人の人達はむしろ官邸の指示に従いながらもどう変えていくかと気持ちは持ってますからね、そこをその役人の側を霞ヶ関を逆に見方に付けていくということを翁長さんがどれだけできるか、幸いにまぁその長野の場合にはなかなか長い物に巻かれるメディアが多かったりしたんですけども、沖縄の場合には逆に翁長さん...

[堀]一丸となってます。

[田中]...沖縄のメディアがテレビを含めてなってますからね、そうするとそのことを伝えていく、それによってその沖縄の支局の新聞社なりも中央に伝えざるを得ないという形の包囲網だろうかなと思いますね、現実にまずとれることは。

[堀]そういった意味で言うと我々の視点としてはこれ、翁長さんが今回の政府の対応を受けて昨年の知事選や衆院選等をうけての事だろうと、あるがままを県民や本土の方がご覧になって考えて頂ければいいのではないか、と語ってるんですが、まぁ我々もまぁそうした一歩引いた目線で翁長さん自身が具体的にどういった政策を掲げていくのかといったところに前向きに...

[田中]ですから翁長さんも評論家になられる、政府に対しての評論家になられるだけで無くてまずは沖縄からできることを具体的に示す、その時に多くの国民もなるほど、と自治体というのは下部組織では無いのだということですね、具体的に目に見える形で翁長さんが示されればこれは非常に政府にとってはですね、追い込まれる形になる、と僕は思ってます。

[堀]そうしたことが最も地方創生に繋がる可能性がある...

[田中]真の地方創生は何なのか、ということが逆に翁長さんはカードを幾つも持ってると私は思ってます。

[堀]田中さん、どうもありがとうございました。

[田中]はい、どうもありがとうございました。

[堀]安倍政権による翁長知事への対応について田中康夫さんにお話を伺いました。以上Cutting Edgeでした。

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