2016年09月07日 TOKYO MX 「モーニングCROSS 田中康夫 危ういぞ「沖ノ鳥『島』」 EEZの正当性 日本 中国 台湾 米国」

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[宮瀬茉祐子]それでは田中さんお願いします。

[田中康夫]はい。まずはこちらです。危ういぞ「沖ノ鳥『島』」EZZ、排他的経済水域の正当性という事で。日本、中国、台湾、米国が絡まってますけれども、今、丁度ビエンチャンASEAN首脳会議が行われています。

[宮瀬]ではニュースをお伝えします。

[榎本]はい。詳しくお伝えします。安倍総理大臣と中国の習近平国家主席が5日、1年5ヶ月ぶりの首脳会談に臨みました。会談に際して握手も交わすも笑顔はなく、南シナ海問題で緊張する両国関係を象徴するような35分間の会談となりました。一方、同じ日に習近平国家主席と会談したイギリスのメイ首相は「英中関係は今、黄金時代にある」と強調し、経済・貿易関係を深める考えを示しました。

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[田中]中国けしからんぞって言ってる人達は非常に多い。でもこっちも大人だったらやっぱり論破出来なきゃいけないわけですよね。だからそれをどうするのかっていう議論が必要だと思う。で、今出たテリーザ・メイ首相はAIIB、カナダでも入る事になったんだけれども、アジア・インフラ投資銀行にイギリスも入ると。そういう一方で、握手にしてるように見えるけど、一方では中国の資本が4割入る原発、ヒンクリーポイント原発というのを、前の首相の時に決めたのを延期をしているという牽制球をやったりしているわけです。それに対して日本は、残念ながら今回の首脳会談でも、日本と中国の旗をホスト国である中国は、掲揚を何故かしなかったというような形です。じゃあそこからどういう話に行くかというとですね、先ほど出た「沖ノ鳥島」ですね、「沖ノ鳥島」というのはこのように島なんだけれども、ここにあるのは人工に造ったもので、満潮の時には50センチ海洋より出ているという場所です。

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これに関して、実はその前に、南シナ海で、ハーグにある常設仲介裁判所、もう、弁護士(の田上さん)の方が詳しいんだけども、ここでこういう判決が出ました。南シナ海に関して、この海域や資源を中国が排他的に支配していた、つまり中国が支配をしていたんだという歴史的証拠はないと。あるいは中国の現在の人工島造成はサンゴ礁に甚大な影響を与えたと。飛行場まで造ってるわけですよね。つまり南沙諸島に「島」は存在しないと。だから中国や台湾やフィリピン、ヴェトナム等が実効支配している「岩礁」は200カイリのEEZを主張出来ないんだという風に言ってるわけです。ただ一方でここに書いたように、人工島を造った領有権自体は否定をしていないんですね。

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で、これが出たので日本のメディアとか評論家とか政治家は「中国、完敗だ」と言われたわけです。でもこれはどういう裁判所かというと、常設仲介裁判所ってのは、いわゆる国際司法裁判所であったり国際海洋法裁判所ではない。すなわち、ここが出す事というのは従わなければいけないけれども、それに対して従わないところに対して執行権限は有さないんですよね。で、そうするとみんなで環境を良くしましょう、青少年を守りましょうという理念条例的な具合でもあるわけ。一方でこの裁判が今回、中国完敗と言われたところでどんな事を合わせて言ってるかというのが大きな問題なんです。するとここで今回は海洋法に基づいて満潮時に於いても水面上にある、50cm水面上にあります。でも、人間の居住または独自の経済生活が維持出来る事、これが第3項に基づいて、と書いてあるわけですよ。

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そうすると、実は元々これは先の大戦の前から日本がここは領有権を持ってて、1回アメリカが統治をした後に日本に戻ってきた。そして例えば石原さんが知事の時に、とにかくここは大事なんだと言って、その前から600億円かけて護岸工事をしていたわけですよね、さっきの所を。で、何故それをしてきていたかというと、こちらになるわけでございまして、ここが島として認められると排他的経済水域だけじゃなくて大陸棚であったり、全部これは日本のものになるという形になります。ところがこれが無いという形になると、つまり、「島」ではなくて「岩」だという事になると、単に領海でしかないわけです。大陸棚やEEZは認められないという事になるわけね。

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そうすると今回南シナ海でやっている事、飛行機も到着出来る所も「あれ、島じゃないじゃないか」と声高に言っていくと、どういう事が起きるかと言うと、既に王毅外相が去年の8月に言っているんだけど「あなた方、他人の事言う前に自分の事も考えなさい」と言ったわけです。あるいは今回も習近平氏も「言葉には気をつけよう」と言ってるわけですよ。そうすると一方で、アメリカは何が負い目があるかと言うと、ここに書きましたようにアメリカは国連の海洋法条約の非加盟国なんです。で、これは米ソ対立の頃に、アメリカとソヴィエトがいわゆる200カイリであるとか、そういう形を決めた。これはつまり米ソ二大国にとって都合が良い。自分達はEEZはそれぞれ良いですよ、でもそこは自由に航海出来るんですよと。我々は両方、世界の警察官と軍隊だと言ってた時代に作られて、でもアメリカでは議会の反対があってずっと承認されないできてるわけ。

[宮瀬]非加盟国という事は発言権が無いでしょと。

[田中]で、もう一つアメリカにとってすごくイタいのは、アメリカは、実はこれは国際司法裁判所がしたんですけどもニカラグアは当時、アメリカにとってはちょっと不愉快な、でも市民にとっては市民派だったような政府だった時に、そこに対しての反政府の勢力にお金を渡していたと。

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で、それは裁判にニカラグアが出したら、「おかしい」という事で「アメリカに賠償をしなさい」って国際司法裁判所が決めたんです。で、これは拘束力があるわけです。でもアメリカはそれを無視して、国連安保理で話して下さいって言ったら安保理で否決をしたわけ。で、総会ではそれはそうですという話になったのに否決をしてきたから、アメリカもここに入っていくと、中国の問題に入っていくと、中国も世界の経済大国になっているという形の中で、だから先ほどのフィリピンも1000人も警官が射殺する一方で、前の政権と違って中国から色々して貰うからOKだみたいになってるわけ。そうすると翻って考えると、日本がずっと色んな国に円借款をしてた時に、良い意味で民主化する為の紐付きというか民主化する為の意見を言ってこなかったお人よしだったニッポンってのがあって、で、中国は未だに自分達は新興国ですと、発展途上国と言いながら今やアメリカも無視出来ない、イギリスも無視出来ない形になってきちゃってるわけでしょ。で、その中で日本だけが、アメリカもなあなあで、日本だけが矢面に立ってるんだけれども、じゃあ言った時に沖ノ鳥島の所はどうなるんだって多分、世論がなってくる。で、これは何故かっていうと台湾も実は同じ事を言ってるわけですよ。台湾も、沖ノ鳥島はそうじゃないのって、昔、日本が持っていた太平島という島、ここは飛行機も着陸出来る所。で、ここは私達の領土ですよってのをメディアに見せてるんですよね。で、ワシントン・ポストも台湾系の団体の人達が日本の沖ノ鳥島はおかしいって意見広告を載せるようになってきてるから、対中国だけではない。フィリピンもそうかもしれない、ヴェトナムもそうかもしれない、アメリカもそうかもしれないっていう時に日本はどう論破をしていくのか、という。

[宮瀬]どうするんですかそこは。

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[田中]それはもっとある意味では形を変えてEEZとは違うようなシステムを作っていく。地下の資源に関してのところと航海の自由、航海の自由はあるよって事を認めていかないと、逆に日本は大変な袋小路に入ってしまう。

[宮瀬]なるほど。今までの交渉面の論破の仕方じゃちょっと難しくなっていくっていうとこですかね。

[田中]だからここのところを日本のメディアもきちんと伝えないと、中国敗北ですだけ言ってるけれども、それは翻って日本にもきちゃいますよっていうところをまずみんなでまずは考えないといけないと私は思って今日お話をしました。
[宮瀬]はい。ありがとうございました。

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