2016年08月09日 FM YOKOHAMA 「たまらなく、AOR」

田中康夫 presents Fm yokohama 「たまらなく、AOR」ロゴ

昨日から今日へと、
曜日はJST日本標準時で水曜日へ。
一つ、前に進みました。

今週も、ようこそ「たまらなく、AOR」の世界へ。

1970年代半ばから80年代、そして90年代の初頭まで。
私たち、一人ひとりが、光り輝いていた時代の音楽。AOR

それは、所謂「イデオロギー」とは無縁の、
都会的で、洗練された、しなやかなメッセージ。
慎み深いディーセントな誇りを抱いて、日々、
世の中と向き合い続ける貴方の1日の終わりに、
クワイエット・ストームな癒(いや)しを、届けてくれる
「たまらなく、アーベイン」な音色。

AOR
それは、セピア色になりかけていた私たちの記憶のアルバムに、
ささやかだけど、確かな息吹を与えてくれる勇気と希望のメロディー。
それぞれの楽曲を聴く度に、一つひとつの想い出が、ほのかに蘇ってきます。

私たち一人ひとりは微力かも知れない。でも、決して無力な訳じゃない。
今晩は。田中康夫です。
5千枚あまりのYa’ssyレコードコレクションの中から
選(よ)りすぐりの楽曲を
ゆったりと、しっとりとお聴き頂く、
2年目を迎えた「たまらなく、AOR」。
クワイエット・ストームな今夜のプレリュードとしてお掛けするのは1980年 The Korgis "Everybody’s Got To Learn Sometime"。

M1. The Korgis – Everybody’s Got To Learn Sometime 1980

 

イギリスのJames WarrenとAndy Davisを中心の4人組The Korgisの楽曲。1980年であります。非常にイギリスそしてアメリカでもヒットをしたこの"Everybody’s Got To Learn Sometime"。楽曲が途中で転調を巧みにして、またメロディーがですね、ある意味では非常にアジアの人達が心に染みるような音色だと私は思います。アメリカ、イギリスでもこの"Everybody’s Got To Learn Sometime"は大ヒットをしたのですが、何故か逆に日本では和歌のような調べにもかかわらず今ひとつではありました。元々彼らはStackridgeというですねブログレッシブなバンドのメンバーだったので、その流れとはかなり異なるこのヒット曲"Everybody’s Got To Learn Sometime"であります。このアルバムのタイトル自体は"Dumb Waiters"ですね。これは所謂、厨房から料理をフロアーまで運ぶような小荷物の専用の昇降機の事を言うのですが、まあウェイターは給仕人、そしてダムは口をきかない無言ということなので、これが非常にポリティカル・コレクトネスに抵触するのではないかと言われて、今はもうsmall freight elevatorという言い方になっています。

続いては2曲。1981年 Paul Haig "Running Away"。同じく1981年 Hermine "Valley Of The Dolls"。どうぞ。

M2. Paul Haig – Running Away 1981

M3. Hermine – Valley Of The Dolls 1981

www.youtube.com

 

 最初にお掛けしたのはPaul Haigの"Running Away"。彼自身はスコットランドの出身でありますが、主だって活躍をしたのはですねベルギーがフランチャイズのCrépusculeというレーベル、"黄昏"という意味です。いち早くエレクトリックポップへと転向をした彼であります。ニューヨークにVelvet Undergroundがあったりあるいはイギリスにはご存知David Bowie、そしてアメリカにIggy PopLou Reedが活躍をするこうしたニューウェイブの流れの中において、彼は独自の路線を組みます。今日お掛けをした"Running Away"、私はこのCrépusculeですね、色んなアーティストのコンピレーションになってるアルバム、これはイタリアのボローニャで発売になったジャケットなので後でご覧頂くとですね、海水浴場で家族が体操をしている感じのイラスト、とても可愛らしい、ラッションペンで書いたような絵であります。

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そして続いてお掛けしたのがHermineの"Valley Of The Dolls"。こちらもCrépusculeのラインであります。この、なんて言いますか昔のナベゾさんの渡辺和博さんのヘタウマの絵に似たようなですね、ちょっと調子が外れたような音階の歌い方。でもこの楽曲自体はですね、皆様もうお聴きになって思い出されたかもしれませんが1968年にDionne Warwickが"Valley Of The Dolls"というですね歌を歌ってます。「人形の谷間」という曲ですね。これは映画にもなって、そしてAndre Previnが、指揮者としても有名な彼が作曲をした楽曲、このカヴァーバージョンであります。まさに当時の80年代最初のCrépusculeというのはこの手の非常に意欲的な、けれども極めて都会的な洗練された物哀しい音楽で一世を風靡したレーベルであります。
続いても2曲。1990年 Everything But The Girlの"Driving"。そして1983年 Naked Eyes "Always Something There To Remind Me"。

M4. Everything But The Girl – Driving 1990

M5. Naked Eyes – Always Something There To Remind Me 1983

 

Everything But The Girl。まあ女の子以外ならば何でも売っております、という小間物屋さんが自分達が通う大学の近くにあったというんですけども、Tracey ThornとBen Watt、この二人組みがEverything But The Girlであります。彼らは大学時代に幾つかの楽曲を作成してデモテープを作ったところ、Elvis Costelloであったりですね、あるいはThe Jam解散直後のPaul Wellerが狂喜乱舞をして大学にまで会いにやって来たというくらいの人物です。その後ご存知のようにBen Wattは大変な難病になります。そこから復帰をして2人は結婚を21世紀になってするわけですが、このアルバム自体"The Language Of Life"というアルバムなのですが、なんとプロデューサーがTommy Lipumaなんですね。以前にもお掛けしたA&M系列でHorizonレーベルからMark-AlmondであったりNeil Larsenであったりをプロデュースをした、この辺りがですねエレクトリックサウンドでありながら非常にアーベインな感じが出てるのかなっていう気もします。そして2曲目にお掛けしたのがNaked Eyes。ご存知のようにNaked EyesのPeter ByrneそしてRob FisherはTears For Fearsの2人と同じくBathの出身。まあ温泉町・保養地であります。このNaked Eyesの楽曲"Always Something There To Remind Me"、これは元々Burt BacharachとHal Davidの曲です。3月の8日にTears For Fearsを、そして4月の5日の放送でMatt Biancoをお掛けしましたが、今日はこうした所謂ユーロの匂いがする、ハイエナジーではないユーロの匂いをお掛けしてます。

今夜も私、Ya’ssy田中康夫の選曲でお届けしてきた「たまらなく、AOR
お聴きになりたい楽曲を始めとするご提案は

aor@fmyokohama.co.jp

お掛けしたAORの楽曲をジャケット写真と共に紹介するサイトも、
FM yokohama HPの番組紹介ページからどうぞ。

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たまらなく、AOR - Fm yokohama 84.7  

 

私、田中康夫の新しい公式サイト http://tanakayasuo.me/ でも
更なる楽曲の余韻をお楽しみ頂けます。

「たまらなく、AOR」今回のエピローグは、The Style Councilです。ポップというよりもBlue Eyed Soul、非常にヨーロッパでありながらですねソウルフルな匂いがします。The Jamのリーダーとして1977年にデビューしたPaul WellerThe Jamを解散して後にMick TalbotとThe Style Councilを結成をします。1984年のファーストアルバム"Café Bleu"、イギリスなのに何かこうフランス、大陸の側の匂いがするジャケット写真と色合いなのですが、今日は"You’re The Best Thing"をお聴き頂こうと思います。

来週も、火曜から水曜へと、またひとつ、曜日が前へと進む時間帯に、みなとみらい横浜ランドマークタワーから、あなたの元へ、クワイエット・ストームな音色を、お届けしましょう。1984The Style Council "You’re The Best Thing"。
それでは、また。

 

M6. The Style Council – You’re The Best Thing 1984

I could be discontent and chase the rainbows end
I might win much more but lose all that is mine
I could be a lot but I know I'm not
I'm content just with the riches that you bring
I might shoot to win and commit the sin
Of wanting more than I've already got
I could runaway but I'd rather stay
In the warmth of your smile lighting up my day
(the one that makes me say, hehe)

'Cause you're the best thing that ever happened to me or my world
You're the best thing that ever happened, so don't go away

I might be a king and steal my peoples things
But I don't go for that power crazy way
All that I could rule but I don't check for fools
All that I need is to be left to live my way
(say listen what I say)

I could chase around for nothing to be found
But why look for something that is never there
I may get it wrong sometimes but I'll come back in style
For I realize your love means more than anything
(the song you make me sing, yeah)

 

 

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